地元・三重県での就職を考えているけれど、採用動向や求人状況がわからず不安に感じていませんか?
近年、三重県の有効求人倍率は低下傾向にあり、地域や産業によって大きな違いが見られます。そこで本記事では、地域別・産業別の有効求人倍率を詳しく解説し、正規・非正規の採用動向や多様な人材の採用についても取り上げます。三重県での就職を考える際に、ぜひ参考にしてください。
まずはじめに、就職活動をする際に、ぜひ知っておきたいのが「有効求人倍率」です。
これは、簡単に言うと「仕事を探している人1人に対して、いくつの求人があるか」を表す数字です。この数字が高いほど、仕事を見つけやすいと言えます。
ここでは、三重県内の採用動向として、有効求人倍率を以下の3パターンに分けてご紹介します。
まずは、三重県全体の有効求人倍率を見てみましょう。
三重県全体の有効求人倍率は、令和6年6月時点では1.15倍で、求職者1人に対して1.15件の求人があることを示しています。
しかし、ここ数年では、有効求人倍率は減少傾向にあり、前月(令和6年5月)から0.04%pt低下しました。これは、全国の有効求人倍率1.23倍と比較すると低い水準となっています。
次に三重県内の産業別の新規求人比率を見てみましょう。
産業の種類 | 前年同月との増減差 | |||
---|---|---|---|---|
令和6年4月 | 令和6年5月 | 令和6年6月 | ||
建設業 | -11% | -64% | -254% | |
製造業 | +10% | -51% | -263% | |
運輸業、郵便業 | +97% | -70% | -14% | |
建設業 | -11% | -64% | -254% | |
卸売業、小売業 | +15% | +28% | +28% | |
学術研究 専門・技術サービス | -169% | -37% | -12% | |
宿泊業、飲食業 | +50% | -280% | -318% | |
生活関連サービス業 娯楽業 | +6% | -57% | -229% | |
教育・学習支援業 | -52% | +21% | +27% | |
医療、福祉 | +33% | -69% | -208% | |
サービス業(ほかに分類されないもの) | +10% | -51% | -263% | |
公務、その他 | +27% | +46% | -93% |
産業別に見てみると、建設業、製造業、運輸業、郵便業など、多くの主要産業で新規求人の数が減っています。特に、宿泊業や飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業などは、求人数が大きく減少し、去年の同じ月と比べて30%以上の減少を記録しています。
一方で、卸売業・小売業では28%ptの増加、教育・学習支援業では27%ptの増加が見られ、一部の産業では求人数が増えていることが分かります。
三重県内の地域別の有効求人倍率は、以下の通りです。
地域 | 令和5年6月 | 令和6年6月 |
---|---|---|
四日市 | 1.45 | 1.20 |
尾鷲 | 1.32 | 1.17 |
津 | 1.31 | 1.22 |
伊勢 | 1.31 | 1.14 |
熊野 | 1.27 | 0.97 |
鈴鹿 | 1.12 | 0.96 |
桑名 | 1.06 | 0.94 |
松阪 | 1.07 | 1.03 |
伊賀 | 0.91 | 0.84 |
令和5年6月と令和6年6月を比較すると、どの地域でも有効求人倍率は低下が見られます。
しかし、四日市市や津市、伊勢市など、県内でも主要な地域は有効求人倍率が1倍を超えており、比較的仕事を見つけやすいと言えるでしょう。
一方、熊野市、鈴鹿市、桑名市、伊賀市の4地域では、有効求人倍率が1倍を下回っています。これらの地域では、希望の仕事を見つけるために、より多くの企業に応募したり、自分のスキルや経験をアピールする工夫が必要になるかもしれません。
三重県で就職活動をする際には、企業がどのような人材を求めているのかを理解しておくことも重要です。ここでは、三重県内の企業に対して行った「2024年度の雇用動向に関する意識調査」の結果を基に、以下の3つのパターンで採用動向を見ていきます。
まず、正社員の採用についての調査では、「採用予定がある」と答えた企業が61.5%でした。これは昨年度の結果よりも7%pt低いものの、依然として6割以上の企業が採用を予定しています。
新型コロナウイルスの影響が落ち着き、雇用が活発だった一昨年や昨年と比較すると低めの数字ではありますが、多くの企業が正社員の採用を計画していることがわかります。
業種別に見ると、採用予定のある割合は以下の通りです。
業界 | 割合 |
---|---|
卸売 | 72.7% |
製造 | 71.4% |
建設 | 69.3% |
運輸・倉庫 | 66.6% |
小売 | 59.1% |
サービス | 43.9% |
不動産 | 20.0% |
「卸売」や「製造」業では、7割以上の企業が採用を予定しており、働き手を積極的に求めていることがわかります。一方、不動産業界では5社に1社程度しか求人を出しておらず、就職の競争が厳しい状況だと考えられます。
正社員採用を目指す場合、採用予定の割合が高い業界を狙うのが有利です。
三重県では、非正規社員の採用予定がある企業の割合が53.3%となっています。昨年から4.4%pt低下しましたが、依然として過去3年間にわたり5割を超えており、全国平均の45.9%を大きく上回っています。
都道府県別で見た場合、三重県は非正社員の採用予定がある企業の割合が最も高い地域となっています。
業界別に見ると、非正社員の採用予定がある割合は、以下のとおりです。
業界 | 割合 |
---|---|
小売 | 68.2% |
製造 | 57.1% |
サービス | 56.3% |
卸売 | 50.0% |
運輸・倉庫 | 50.0% |
建設 | 38.5% |
農・林・水産 | 33.3% |
不動産 | 20.0% |
小売業界では、非正規社員の採用予定がある企業が非常に多く、特に「小売」「製造」「サービス」業界では、幅広い求人が見込まれています。一方で、不動産業界では正社員・非正社員ともに人材募集が少なく、就職の難易度が高いと考えられます。
非正規社員としての採用を希望する方は、採用予定の高い「小売」「製造」「サービス」業界を検討するのが良いでしょう。
帝国データバンクの調査によると、三重県の企業の87.7%が「女性」「外国人」「高齢者」「障がい者」のいずれかの人材を採用する予定があると答えています。さらに、「採用を拡大する」と答えた企業は43.4%に達しており、4割以上の企業が多様な人材の採用強化に取り組んでいることがわかります。
これにより、三重県内では、さまざまな背景を持つ人材に対してもチャンスが広がっており、幅広いキャリア選択が可能となっています。
三重県内の採用動向は毎年変化しており、全体的には有効求人倍率が低下しつつあります。現在のところ、有効求人倍率は1倍以上を維持していますが、今後の景気変動によっては大きく変化する可能性もあります。
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