三重県にUターン就職することで、住み慣れた土地で落ち着いた生活を送れると考える方も多いでしょう。しかし、Uターン就職はメリットだけでなくデメリットも存在します。両方を理解したうえで、就職を考えないと後悔するかもしれません。
この記事では三重県でのUターン就職のメリット・デメリット、さらに就活に役立つ支援制度や情報サイトもご紹介します。三重県でのUターン就職を検討している学生の方は、ぜひ参考にしてください。
まずは三重県の求人状況をご紹介します。求人状況を把握すると、三重県での就職のしやすさがわかります。
Uターン就職は、地元以外の大学や専門学校などを卒業後、再び地元に戻って就職することです。
Uターン就職と似た言葉に、Iターン就職とJターン就職がありますが、Uターン就職は地元で就職するのに対し、Iターン就職とJターン就職は地元以外で就職するという点で大きく異なります。
これらの3つの意味を理解しておきましょう。
三重県へのUターン就職を考えている皆さんにとって、気になるのはやはり「仕事があるのか?」ということですよね。
三重労働局が発表した令和6年4月時点のデータを見てみましょう。
まず、全体的な求人状況としては、
有効求人倍率は1.2倍となっており、これは求職者1人に対して1.2件の求人があることなので、企業側の求める人材への需要が高い状態と言えます。
しかし、Uターン就職を目指す皆さんが希望するであろう「正社員」の求人に絞ってみると、状況は少し変わってきます。
となり、有効求人倍率は0.91倍に。これは、求職者1人に対して0.91件の求人があることを示しています。つまり求人よりも求職者の方が多い状況であることが分かります。
全国的に見ると、令和6年5月時点の全国の有効求人倍率は1.00培なので、三重県の正社員求人状況は全国平均と大きな差はありません。
三重県内のUターン就職を考える上で、どの産業に求人が多いのかを知っておくことも大切です。以下は、令和6年度4月における主要産業別の求人数と前月(令和6年度3月)との比較です。
主要産業 | 求人数(パート含む全数) | 前月との比較 |
---|---|---|
建設業 | 893人 | -1.2%(11人減) |
製造業 | 1,443人 | +0.7%(10人増) |
運輸業、郵便業 | 814人 | +13.5%(97人増) |
卸売業、小売業 | 1,144人 | +1.3%(15人増) |
学術研究、専門技術サービス業 | 139人 | -54.9%(169人減) |
宿泊業、飲食サービス業 | 960人 | +5.5%(50人増) |
生活関連サービス業、娯楽業 | 331人 | +1.8%(6人増) |
教育、学習支援業 | 名張市 | -29.4%(52人減) |
医療、福祉 | 2,453人 | +1.4%(33人増) |
公務、その他 | 266人 | +11.3%(27人増) |
求人数が増えているのは「運輸業、郵便業」「公務、その他」で10%の伸びを見せており、「宿泊業、飲食サービス業」や「生活関連サービス業、娯楽業」も増加傾向にあります。
一方、「学術研究、専門技術サービス業」や「教育、学習支援業」は求人数が大幅に減少しています。
なお、地域別のUターン就職者数では、桑名・松坂などの、県内でも特に主要な都市に集中しやすい傾向が見られます。
三重県にUターン就職するメリットは、以下の5つが挙げられます。
順番に解説していきます。
三重県では、職場の近くでも家賃が比較的安く、通勤時間も短くて済みます。そのため、朝も仕事終わりも自由に使える時間を確保できるでしょう。
東京や大阪などの都市部では、家賃が高いため、職場の近くに住むのは難しい場合が多いです。その結果、公共交通機関を利用して長時間かけて通勤せざるを得ないケースが増えます。満員電車での通勤はストレスも大きく、貴重な時間も奪われてしまいます。
一方、三重県であれば、職場に近い場所にお手頃な価格で住居を見つけやすく、通勤時間も短縮できます。通勤のストレスから解放され、自分の時間を有効活用できるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
三重県は、全国的に見ても特に物価が高いとされる東京や神奈川などの都市部と比較すると、物価が低いため、生活費を抑えられます。
総務省が実施した「消費者物価地域差指数」の調査結果では、2022年の地域別の消費者物価指数(普段購入する商品やサービスの価格が、時間とともにどのように変化しているかを数値で表したもの)は以下の結果となりました。
調査地域 | 消費者物価地域差指数(全国平均100) |
---|---|
三重県 | 99.3 |
東京都 | 104.7 |
神奈川 | 103.1 |
三重県は中部地方と近畿地方に隣接し、東京、大阪、名古屋といった大都市へアクセスしやすい点が特徴です。
新幹線や高速道路などの交通網が充実しているので、出張や週末の旅行など、都市部への移動もスムーズ。学生時代の友人が都市部に住んでいても、気軽に会いに行ける距離なのも嬉しいポイントです。
Uターン就職では、生まれ育った慣れ親しんだ環境で、安心して生活しながら働けることも魅力の一つです。
新しい土地での生活は、最初は何かと勝手が分からず、戸惑うことも多いもの。買い物や病院、役所の手続きなど、ちょっとしたことでも不安やストレスを感じてしまうかもしれません。
その点、Uターン就職なら、地元のことなら何でも知っているからこそ、ストレスフリーな生活を送れます。地元の友人や家族との繋がりも大切にしながら、落ち着いて仕事に集中できるでしょう。
三重県には、仕事の疲れを癒し、プライベートを充実させるための魅力的なスポットがたくさんあります。
たとえば、自然を満喫できる伊勢神宮や熊野古道、思いっきり遊べるナガシマスパーランドや志摩スペイン村などのレジャー施設があります。
また、伊勢海老や伊勢うどんなど、三重県ならではのグルメも多くあり、食を通じてリフレッシュもできるでしょう。仕事とプライベートのメリハリをつけたい人にはおすすめの環境だといえます。
以下の関連記事では、三重県の歴史、文化、有名スポット、伝統行事まで、さまざまな分野の情報を紹介しています。ぜひ三重の魅力を知るための参考にしてみてください。
三重県へのUターン就職にはメリットだけでなく、もちろんデメリットも存在します。主なデメリットは以下の3つが挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Uターン就職では、遠距離での就職活動になるため、会社見学や面接の日程調整が難しくなる場合があります。
企業によっては、Uターン就職希望者への配慮としてオンラインでの面接などに対応してくれることもありますが、やはり直接足を運ぶ必要がある場合もあります。
三重県までの移動には費用や時間もかかるため、頻繁に往復することは難しく、短期間に集中して就職活動を行うことになるかもしれません。急な日程変更にも柔軟に対応しづらいこともあるため、スケジュール管理はスケジュール帳やアプリなどを活用して、しっかりと行うようにしましょう。
三重県の一部の地域では、都市部に比べて公共交通機関の本数が少ないため、車がないと病院やショッピングセンター、スーパーなどへの移動が不便に感じられることがあります。
最近はオンラインでの買い物や薬の処方も可能になっていますが、やはり直接足を運ぶ必要のある場合も出てきます。電車やバスでの移動に慣れている方や車を所持していない方は、アクセスが悪いと感じるケースもあるでしょう。
ただし、三重県内でも都市部に住めば、交通の不便さを軽減できる可能性があります。例えば、津市、四日市市、松阪市、桑名市などは、公共交通機関の便も比較的よく、生活に必要な施設も充実しています。
Uターン就職で少しでも便利な暮らしがしたい方は、人口の多いこれらの都市を検討してみるのも良いでしょう。
他県から三重県にUターン就職する際は、当然、引越し費用と時間がかかります。特に、就職や入学のタイミングは、引越し業者が最も忙しい繁忙期と重なることが多く、費用が高くなりがちです。
目安として、繁忙期の単身者の距離別引越し費用は次のようになります。
距離 | 費用 |
---|---|
51~200km未満 | 65,000円程度 |
201~500km未満 | 70,000~90,000万円程度 |
501km以上 | 80,000~100,000万円程度 |
引越し先の選定や荷造り、退去手続きなどもしなければならないので、引越しをする際は余裕をもってスケジュールを組みましょう。
三重県では、Uターン就職をサポートするための様々な支援制度や便利な就職サイトがあります。これらを活用することで、就職活動にかかる費用を抑えたり、スムーズに就職活動を進めたりすることができます。
ここでは、自治体が提供するサポートや就職活動に役立つサイトをご説明します。
まずは、自治体が実施している支援制度のいくつかご紹介します。
順番に内容をご紹介していきます。
制度・支援事業名 | 三重県移住支援金制度 |
---|---|
支援金額 | 単身:60万円 2人以上の世帯:100万円 子育て世帯加算:18歳未満一人につき最大100万円 |
主な支給要件【移住元】 | 東京23区の在住者 東京圏在住で23区へ通勤している方 |
主な支給要件【移住先】 | 三重県内25市町へ移住して就業などした方 |
申請可能期間 | 居住地である実施市町へ転入後1年以内 |
注意点 | 支給要件が異なるため、事前に移住先予定の市町の担当窓口へ問い合わせを行うこと |
これは、東京23区在住、または23区内へ通勤している方が、三重県に移住する際に利用できる支援金制度です。学生の場合は、要件を満たすのがが難しいこと場合もありますが、東京23区内に5年以上住んでいる方は制度を利用できる可能性があります。移住を検討している方は、ぜひ移住予定の自治体に問い合わせてみましょう。
制度・支援事業名 | 学生奨学金返還支援事業 |
---|---|
支援金額 | 学生】借り入れ予定の奨学金総額の1/4(上限100万円) 【既卒者】支援対象として認定された時点の借入残額の1/4(上限100万円) |
対象奨学金 | 日本学生支援機構第一種・第二種奨学金(U・Iターン就職者のみ) |
対象者 | 【学生】申請時に、大学や専門学校などの最終学年、最終学年の1年前の学生 【既卒者】申請時に三重県外に住んでおり、三重県内で就業していない方 |
対象年齢 | 令和7年3月31日時点で35歳以下の方 |
対象企業・対象業種 | 三重県内に事業所を有する企業・団体 三重県内で個人事業主として就業する方 |
応募定員 | 140名 |
募集期間 | 令和6年12月20日まで |
この支援事業では、奨学金の返還金を一部支援してくれます。奨学金を借り入れている学生にとって、経済的な負担を軽減できる大きな助けとなるでしょう。ただし、募集人数と募集期間が限られているため、希望する方は早めに申請しましょう。
制度・支援事業名 | 津市ふるさと就職新生活応援奨励金(UIJターン促進事業) |
---|---|
支援金額 | 5万円 |
対象者 | ・申請時に津市外に住んでおり、津市内へ就職し、津市へ転入した方 ・津市内の学校に進学し津市に転入し、卒業後津市内の企業に就職した方 |
応募期限 | 市内の企業などに内定後90日以内(令和7年3月31日まで) |
交付方法 | 指定口座への振り込み |
注意点 | 国、地方公共団体、みなし公務員への就職は対象外 |
津市に本社・本店がある企業などに正社員として就職した場合に利用できる制度です。しかし、津市以外に本社・本店がある企業に就職した場合は対象外となりますので注意が必要です。また、内定後90日を過ぎると応募できなくなるため、早めに申請手続きを行いましょう。
制度・支援事業名 | 紀宝町活力あふれる若者定住応援事業 |
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支援金額 | 納付した市町村民税相当額5年間分 |
条件(いずれかに該当) | 1.令和5年4月1日以降に紀宝町へ住民票を移動させ企業に就職または起業した 2.令和5年4月1日以降に自らの意思により紀宝町に移住しテレワークなどを行う |
条件(すべてに該当) |
|
注意点 | 国、地方公共団体、みなし公務員への就職は対象外 |
紀宝町のこの事業では、5年間分の市町村民税相当額の交付が受けることができます。条件はいくつかありますが、どれもクリアすることは難しくありません。紀宝町への移住を考えている方は、ぜひこの制度を活用してみてください。
ご紹介した以外にも、三重県では公的機関や民間企業が連携して、就活を支援する様々な制度を提供しています。
これらの制度を詳しく知りたい方は、こちらの以下の関連記事もチェックしてみてください。
三重県全体で就職先を探したい方は、「『みえ』の仕事マッチングサイト」や「みえプラスジョブ」を活用することで、幅広い求人情報を得ることができます。
一方、南三重地域や鈴鹿市など、特定の地域での就職を考えている方は、「南三重就活ナビ」や「鈴鹿deはたらこっ!」のような地域密着型のサイトがおすすめです。
これらの三重県に特化した求人サイトは、大手求人サイトには掲載されていないような、地域に根ざした魅力的な地元企業の求人情報を見つけることができるのが特徴です。Uターン就職を検討している方は、ぜひこれらのサイトを活用してみてください。
三重県は、求人数が多く、正社員の求人数も全国平均と大きな差はありません。現在、東京や大阪などの都市部で働いている方でも、三重県で働きたいと思える企業と出会える可能性は十分にあります。
さらに、三重県では就活向けの支援制度や就活をサポートするサイトが充実しています。特に、「みえプラスジョブ」は、Uターン就職を考えている学生にとって心強い味方となるでしょう。
これらのサービスでは、以下のようなサポートを受けることができます。
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